事務局より
小島さんといえば、着物姿が印象に残っておられる人も多いはず。外大ワンゲル50周年記念イベントの時も素敵な着物をお召しでした。その着物や帯は、実は小島さんご自身で糸から織られたもの。今回のフォーラムでは、反物、帯、小物等、たくさんの作品と共に、織物の魅力、製作過程の気持ちや苦労、今後の目標などをお話していただきました。

語り手1:  小島 久美子さん(10期)
「美ら布(ちゅらぬぬ)を求めて-私の織物武者修行」



1.これまで
1971 KDD入社 東京国際電話局勤務
     東京で就職を決めたのは、文化的なものに触れたかったからと、
     親から自立をしたかったから。
1973 KDD退社
1974 大阪府枚方市立第四中学校勤務(13年間)ワンゲル部顧問
1987 38歳で教員を辞め、「日本染織学園」入学 織物の基礎を学ぶ
1991 吉田紘三氏に師事 現在に至る
(その間大阪府立高校で講師として不連続に勤務)


2. 織物との出会い

布が好き、糸が好き


3. 織物の製作工程 (経糸(たていと)、緯(よこ)糸(いと))
・デザイン
・糸染め:化学染料、草木染
・整経:着物1000本~1200本、帯500本~1000本
・機にかける:綜絖(そうこう)通し、筬通し
・織る:着物約12メートル、帯約5メートル
・地入れ
自宅に機を持っている。趣味として織物を製作している。

4.作品紹介
吉田手織教室作品展「夕鶴会」
技法 
・平織り:無地、縞、絣(経絣、緯絣、経緯絣、ずらし絣)、綴、網代
・浮き織り:花織、ロートン
・組織織
・捩り織:絽、羅、花絽




「様々な技法を習得するために作った作品です。
譲って欲しいという声をいただくことがあるが、これらは手放せないものです。」





「アンデス地方の布の模様を参考に織りました。」


若い人から、格好いい、着てみたいという言葉も。


織るのにどのくらい時間がかかるか。費用はどのくらいか。草木染の原料は何か等、和気藹々の雰囲気の中で質疑応答が行われました。

5.美(ちゅ)ら布(ぬぬ)

アジアの手織り布:祈りの布
布がきれいなわけは、「祈り」がKEYなのではないかと思っている。
母が娘のために織る布や、亡くなった人にかける布を見るとそう思う。
そのような「美ら布」を目指して織りたいと思っている。

鶴見和子著「きもの自在」…労働を奉仕とする精神
良い布を作るには、自分を向上させないといけないなと思いながら織っている。

6.これから

河内綿の栽培、糸作りから織へ
・ 摂南大学にて、「河内綿」と「藍」を学ぶ社会人講座に参加。藍と綿を自分の手で育て、何か作品を作りたい。
・ 綿には、アジア綿と大陸綿がある。アジア綿は大陸綿に比べてパッと見はよくないが、吸湿発汗が良い。河内綿はアジア綿の一種。河内綿にこだわって織りたいと思っている。














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