事務局より
いつも若々しく活動的でいらっしゃる三浦さん。京都での生い立ちから、現在の職場である国立歴史民族博物館通称「歴博」についてお話いただきました。歴博には、今迄にワンゲルOBも沢山訪れているそうです。歴博自体、とても魅力ある博物館ですが、それよりも、ここでのお仕事のことを、とても楽しそうにお話される三浦さんに惹かれて訪問した人も多いのではないでしょうか。
三浦 あつ子さん(13期)


朝 顔 と 鉄 砲

-国立歴史民俗博物館での20年    




はじめに
 千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館で働き始めて、今年で20年になります。
学芸員でもなく、世界史や古文は好きでしたが、特に日本史は勉強したこともなかった私がふとしたきっかけから、歴博で長く充実した年月を過ごすことができたのは幸せなことでした。
この機会に歴博以前以後の今まで出会ったいろいろなご縁を振り返ってみました。



1)地縁・奇縁あれこれ
京都市北区、現地下鉄北大路駅近くで生まれ育ち、24歳まで暮らす。
比叡山を見上げ、大谷大学グラウンドや疎水べり、賀茂川で遊ぶ。
ご近所に池坊さん、京都新聞社社主、大日本スクリーン、岡部伊都子、京福電車社長。

☆京都市立紫明小学校
・ ワンゲル大先輩白井さんのご実家は小学校のお向かい、新村出は友人のご近所。
・ 昭和三筆日比野五鳳先生にお習字を習う。

☆京都市立加茂川中学校
・ 上賀茂神社の近くにあり、校歌は吉井勇作詞。校庭には豊臣秀吉のお土居遺跡。
・ 新聞局に入り、鴨川源流やお土居を調査。顧問は北大路書房のお婿さん。開館前の国立京都国際会議場を見学し、京都新聞の記事になる。
・ 加茂川の源流を調査した時は、桟敷岳の麓まで行った。中学校でのこのような活動が、後に大学でワンゲルに入ったきっかけにもなったのだと思う。
・ 生徒会役員になり、八が岳や芦生での研修合宿に参加し、山に目覚める。
・ 三島由紀夫の「金閣寺」に近所の家が出てきたり、源氏物語の北山も近いと知り驚く。
・ 美術の先生はフライデイ表紙絵の三尾公三先生(後に京都芸大学長) 。
・ できたばかりの塾、成基学園に高2まで通う。大学時代は下請けで家庭教師。

☆京都市立紫野高校
・ 大徳寺に隣接。芥川賞の綿谷りさ、直木賞の山本兼一が卒業生。山本兼一は妹のクラスメート。校歌には枕詞がついていた。あかねさす紫野、あからひく朝日など。
・ 同期に冷泉さん、クラスメートに現京阪電車社長、アサヒグループホールディングス社長の妹、アクオスの開発者、祇園のうどん権兵衛のおかみさんなどがいる。
・ スキー部に所属。1年後輩にエッセイストで歯科医の柏井壽。スキー部では、夏はひたすら走って脚力つくり。冬は発哺温泉、比叡山などでスキーを楽しんだ。
・ 制服は無く、バイク通学もOKという、非常に自由な学校であった。そのせいか、友人にも面白い人がたくさんいる。たとえば、エフパズルという玩具を作り、特許までとった友人がいる。今日も彼女から仕事の手伝いを頼まれた。雁鳴きフォーラムがあるので、その仕事はお断りした。ちなみに今日のフォーラムの内容を伝えたところ、講演料20万もらわなあかんやんと冗談で言われた。

☆ 大阪外国語大学タイ語科
・ 就職に有利かと思い、希少価値のあるタイ語科を選んだつもりが、小学校から外大のタイ語科まで、学歴が同じ女性先輩の存在(しかも2人)を知り驚く。
・ タイ語の同期が全員男性で、女性は私一人でさみしかった。女性の仲間を求めてワンゲルに入った。
・ 紫野会があり、現在は大徳寺会(関東地区外大・紫野高校同窓会、ワンゲル先輩の堀田さんが設立)がある。ニュースステーションにたびたび登場の春名幹男さんも会員。
・ 京大東南アジア研究センターで国際政治学者矢野暢先生のアルバイトをしながら卒論を書く。所長は石井米雄先生(後の歴博の属する人間文化研究機構長)、アウン・サン・スー・チ-女史とはすれちがい、知り合いの職員が葵祭の斎王代に選ばれる。京大修士時代の田辺繁治先生(後の民博教授)にタイの地理を習う。
・ 御室仁和寺の御室流華道、裏千家茶道を習う。

☆東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)大阪支店輸出課勤務。
・ 同期に誘われてなんとなく受験。非常に女性を活用してくれる良い職場だった。
・ 秘書部長は外大の先輩。大阪外大会があった。若林正人さん。現佐倉市長は後輩、同期に元大阪府知事の義兄でロイターの経済コラムニスト。市田ひろみさんに着付けを習う。
・ 全国の保養所を全制覇しようということになり、同期10人くらいで旅行にもたくさん行った。学生時代の延長のような雰囲気だった。

☆横浜市、座間市で1男1女の子育ての日々を送る。
・ 煎茶道を習い始める。お茶の先生のお宅の向かいが俳優の佐藤 慶邸。

☆1991年千葉県佐倉市に転居。城址に国立歴史民俗博物館がある。
・ 佐倉の有名人は堀田正睦、雷電、浅井忠、津田梅子、佐藤泰然、林董、木村軍太郎、長島茂雄、バンプ・オブ・チキン、藤木直人、小出監督、有森裕子、高橋尚子など。
・ 佐倉マラソンにはワンゲルOBの松永さん、永田さんが毎年参加。
・ 近所に漫画家のモンキーパンチ氏在住。一時期は歴博の故佐原 眞元館長、白石太一郎元副館長(大阪府立近つ飛鳥博物館館長)、宇田川武久名誉教授もご近所。
・ 近所の友人に頼まれ煎茶を教え始める。
・ 1993年41歳より歴博で働き始める。
・ 歴博の友人数名と外大大先輩の俵萌子さんの赤城山の工房を訪問。 

2)国立歴史民俗博物館での20年
「朝顔と鉄砲」はもちろんルース・ベネディクトの「菊と刀」から借用。15年間武器・とくに火縄銃の研究者の、その後輸出漆器の研究者の研究補助業務として働く。朝顔は16世紀の南蛮漆器の模様に多い。歴博では1999年から附属のくらしの植物園で江戸時代に流行した変化朝顔の研究栽培公開。ワンゲルOBの方たちも大勢来館鑑賞されている。朝顔は、西洋では「東洋のもの」として重宝されていた。






☆歴博で働くことになったきっかけは京都府立大学のご縁から。

☆歴博とはどんなところ
↓―昨年度関わった歴博公式ツイッターの歴博トリビア参照




☆歴博ではどんな仕事を
武器武具関係の用語データ収集。共同研究「人類にとって戦いとは」事務局。砲術関係古文書の整理、火縄銃やライフル・拳銃の計測・ホールマーク調査。企画展示「歴史のなかの鉄砲伝来2006」「楽器は語る2012」の手伝い・図録の編集。資料写真撮影立会い。銃砲資料の公開データベース作成。砲術関係資料目録・武具コレクション資料図録編集。漆工芸作家の工房資料を調査・資料名付け・写真撮影。和宮雛人形の展示。民俗第4室リニューアル広報事務局。輸出漆器データベース作成。


暦博研究棟入り口


暦博収蔵庫


以 上









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