事務局より
三上さんには、今年で始めて三年目になる、自然農についてお話していただきました。写真記録もたくさんあります。

三上 規世さん(34期)

『自然農』――理想のライフスタイルを求めて
                  〜耕さず、農薬・肥料を用いず、草や虫を敵にしない農法〜


  

1. 最近ロハス(LOHAS)ってよく聞きますね・・・
  • Lifestyles of Health and Sustainability                                                  =健康や地球環境に負荷をかけない持続可能な社会活動を心がける暮らし方
  • 今、自分がやっていることでロハスだと思うことは、レジ袋をもらわないことだったり、庭には生ごみコンポストを利用しているのでごみがあまり出ないこと。野菜中心の食事でできるだけお肉を食べない。理想のバランスは50%穀類、35%が野菜、15%が動物性たんぱく質。電気も無駄をなくして省エネの生活を心がけている。

2. 赤目自然農塾との出会い「入塾して3年目に入りました!!」

a. 川口由一さんという人
  • 赤目自然農塾の指導者。                                                        専業農家の息子さんとして生まれたが農薬などで身体を壊される。以来20年以上かけて自然農法を手探りでやってこられた。月に一回、赤目の田畑でコメや野菜作りのノウハウを指導される。
b. 塾の概略
  • コメつくりが中心。棚田が8000坪以上、塾生は各地から来ていて、卒業生は2000人。若い人も多い。塾生は川口さんから教わったことを、各自で分けてもらった田畑で実践する。実際に今、割り当ててもらっている田んぼは、長机が6つ分、畑は、長机が4つ分位の大きさ。
c. 運営方針
  • 自然農を学びたい人の為にひらかれるべきという運営方針。入塾費用はなし(一応赤目基金というものはある)塾生の自立自営に負かされている。塾暦の長い人は教える側のスタッフとなっていく。
  • 自分の畑でできたものは自分で食べてよい。種や苗がない人には持っている人が分け与える、などに見られるように、ゆずり合いの精神を大切にしている。
3. 自然農の基本理念・・・生命の営みと巡りに沿うという考え
  • 従来の農業では、雑草は敵。自然農塾では、田畑に雑草が茂っているのは、土地が豊かな象徴。枯れ草が重なった層を「亡骸(なきがら)の層」と呼び、土の中で一番大切な層として扱うため、耕さない。草を抜くと、亡骸の層が痛むので抜かない。種や苗は植える周辺だけ草の隙間をあけて植える。
  • 虫も敵にしない。雑草を刈らないことで、作物だけではなく雑草にも虫がつく。結局、虫は、作物も食べるが、雑草も食べるので、雑草を刈り取ってしまって作物だけにしたときの場合に比べて、作物が虫に食われてしまう割合が少ない。
  • 命を巡らせるという考え方により、肥料らしい肥料は投入しない。その場に生えていて刈った草、ササ、虫の死骸、作物のカスなどをその場に返す。肥料はやりすぎると、病気に対して弱くなる。厳しい環境で育ったものほど強い。子育てと共通することで、最低限与えるのは必要だが、与えすぎはよくない。


4. 田んぼや畑で実践しながら学んだこと
  • 耕さない農法と聞いて、楽そうだなと思ったが、ワンゲルの時以来の汗と泥にまみれて作業している。かなりの重労働だということがわかった。虫や動物に作物を食べられてしまって、自分達の口に入る量はほんのわずかだが、動物が食べに来るくらい美味しいものができたのだと割り切ってやっている。
  • 植物が成長する姿を見るのがこんなに楽しいとは思わなかった。もう育たないと思った作物が、復活して大きくなったときはとても嬉しい。昨年のゴボウがその例で、植えてから半月ほど葉が全く成長せず心配したが、実は根を伸ばしていたわけで、冬には立派なやわらかい太いゴボウが収穫できた。ただし、ササの根の間をぬって伸びたため、スーパーで売られているものからは想像できないくらい曲がりくねっていたが、本当においしかった。
  • 不思議なもので、作物の近くにはその作物とそっくりの姿をした雑草が生える。最近は作物と雑草とが見分けられるようになってきたので嬉しい。
5. 自然農についてもっと詳しく知りたい方へ
  • 岩住さんのホームページ「気楽に自然農」  http://iwazumi2000.cool.ne.jp/
  • 川口さんの田畑の見学会:奇数月の第1日曜日 午前11時JR桜井線巻向駅集合。弁当持参。会費500円。
  • 赤目自然農塾:毎月第2日曜日(12月のみ第1)とその前日の土曜日。                             土曜日は午前11時から共同作業、日曜日は午前10時から指導。
  • 川口さんの著書
    「妙なる畑に立ちて」野草社                            
    「自然農から農を超えて」カタツムリ社
    「自然農ーー川口由一の世界」晩生社

6. 写真によるご紹介

川口さんの田んぼ(奈良県桜井市)。
他の慣行農法の田んぼに見劣りしない!
初めての収穫はジャガイモでした。見よ!
いかに笹のはびこる畑で野菜を育てていることか!
1年目のコメ作り。ここまでは手入れの甲斐あって順調。(しかし、この後収穫間近に鹿にやられて惨敗)
田んぼの周りを囲む猪や鹿避けのトタン
田んぼに出没した鹿の足跡
田植え直後の様子(中央に見える細い葉が3本に分かれた草っぽいのがコメの苗)
赤目の秋の1日。とてものどかです〜。
稲刈り直後の様子。
(裏作のエンドウ豆やチンゲンサイの
 種下ろし作業)
昨年、コメ作り2年目の実り(赤米)
地這いキュウリ(2週間ぶりに赤目に行くとこんな有様)・・・でも大きくなりすぎたキュウリは皮をむいてあんかけにしておろし生姜を添えて美味しくいただきます!
一時は諦めかけたゴボウがこんなに大きくなりました。
うちの畑のホープ、ミョウガ!毎年何もしなくてもミョウガだけはたくさん採れます。赤目からの帰り道にはあちこち寄ってお裾分け。手前はトウモロコシ。毎年植えるのですが収穫前に猿にやられ、私たちの口には入りません。今年こそ!
毎年何もしなくてもミョウガだけはたくさん採れます。赤目からの帰り道にはあちこち寄ってお裾分け。
昨年の実り(黒米)
立派に育ったサツマイモ。試しにツルも食してみました。
ムカゴ(袋の中)とサツマイモ。
ゴボウの収穫間近。手前には大根の芽がズラリ。
ゴボウの成長著しいこと!さらに大きく大きく・・・
赤目での脱穀作業・・・収穫、
とりわけコメの収穫は心浮き立つ喜びの瞬間。
赤目の稲刈り後の様子
稲刈りした後に早速ムギを蒔く
家の近くの空き地で刈った稲を干す。
(周囲は田んぼも畑もない住宅地ゆえ奇妙な光景)
田植え直前の様子
冬に裏作したハダカムギの穂刈り。
茎はそのまま倒すだけで、その上から田植えをする







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